山名/標高 | 飯ヶ岳(いいがだけ)/937m |
登山日・天候 | 2015年4月26日(日)・晴 |
行程 | 大原湖(11:10)〜三本杉(12:00)〜登山口(12:20)〜周回路分岐(12:35)〜山頂(13:05-13:10)〜雀谷山分岐(13:20)〜沢登りコース分岐(13:45)〜周回路分岐(13:50)〜登山口(14:00)〜大原湖(14:35) |
山口市(徳地)と周南市(鹿野)との境界にあり,山容が飯を盛った形に見えることが山名の由来といわれる。 古くは国道315号線・河内峠から林道を経由して細い踏み跡をたどる,地味な印象の山であった。2001年頃に徳地の滑川上流部にある国有林内に登山道(滑国有林コース)が作られるとこちらがメインルートとなり,利用者の減った河内峠コースはマニア向けのやぶ漕ぎコースとなっている。 この飯ヶ岳と日暮ヶ岳,高鉢山を結ぶ約2600haの国有林地域を「滑山」とも呼び, ブナ,ミズナラ,コナラ,ツバキなどの自然林(約320ha)と、スギ,ヒノキ,アカマツなどの人工林(約2200ha)に分かれている。ここのアカマツは「滑松」とも呼ばれ,材質が良いことから12世紀の東大寺再建の用材にも用いられたほか,近年でも 錦帯橋の修理用材や皇居造営用材として使用されている。 |
約12年ぶりの飯ヶ岳登山。徳地の奥の「滑松」コースに行く林道は狭く,途中から未舗装となるので,今回は大原湖畔から登山口までMTBで移動することにした。 何度か車で通り,(逆方向に)歩いたこともある滑林道。明るい日差しに輝く新緑,渓流のせせらぎと野鳥の声に心癒やされる。が,大原湖側から自転車で走ると,ほぼ平坦だと思っていた道路が意外に上り勾配だと分かる。 雀谷山との分岐を過ぎると,林道はほぼ未舗装路となり,ペダルを漕ぐ足はさらに重くなる・・・ |
飯ヶ岳周辺の山林は,江戸期には萩藩直轄の用材林「滑御立山」として手厚く保護され,とりわけこの「三本杉」は,毛利家の象徴として大切にされた。樹齢は,案内板の書かれた平成13年時点で推定300年。 林道は,三本杉の付近だけ舗装されていた。 |
三本杉を過ぎるとさらに急勾配の山道となる。記憶では登山口も近いはずなので,途中のカーブに自転車を置き,歩いて登ることにした。 予想どおり,500mくらいで案内板の立つ登山口に到着。木橋を渡って少し上ると,滑松の植林地に出る。前回訪れたのは冬で,下草も木の葉もなかったので,丈の低い幼木まで見やすかったが,この時期はしっかり育った巨木しか判別できない。 |
登山道周回路の分岐点に到着。ここにも登山口と同じルート案内板が立っているが,もともと右回りだったコース経路の矢印が逆回りに上書きされている。どちらでも歩けるということだろうが,とりあえず予定どおり右回りに進んだ。 分岐から少し進むと,また道が二手に分かれる。左の方が広くて歩きやすそうだが,ロープが張られ通行禁止となっている模様。多少不安を感じつつ,右の細い道へ。細く,笹がかぶり気味だが,踏み跡はしっかりしている。鈴を振り回し,なるべくよく聞こえるようにしながら(誰に?)上った。 |
ロープがつけられた急坂を上り切ると山頂に到着。登山口からの所要時間は約45分だった。 雲ひとつない晴天だが,黄砂のせいか見晴らしは今ひとつすっきりしない。 |
下山路は,来た道の反対側へ下る。 下りの途中で,周南市(R315河内峠)からのコースが分岐しており,案内図が木にかけられていたが,実際にはこの道は「滑コース」が開かれて以後荒廃し,藪漕ぎを厭わないマニア向けのルートとなっている。(2015.11に河内峠から登頂を試みたが,途中で踏み跡を見失い引き返す羽目になった) さらに急坂を下り,雀谷山縦走路との分岐から「ブナ天然林」方面に下る。 |
ブナ林を抜けると,渓流伝いに下っていくこととなる。行き先を示す目印が少ないので見落とさないように注意。 渓流を抜けた先にコース分岐。ここから「なめら松生立地」方面に少し進むと,上りコース最初の分岐点に出るので,後は来た道を下り,木橋を渡って登山口へ。上りより距離が長いからか,山頂からの所要時間は約50分だった。 帰り道は「こんな勾配を上ってきたのか!」と驚くほどの下り坂。ペダルを漕がなくてもどんどんスピードが上がり,砂利道ではずっとブレーキを握っていないと危険なほど。往きは1時間以上かかった道を35分ほどで大原湖に帰りついた。 |