山名/標高 福万山(ふくまやま/ふくまんやま/ふくまざん)/1236m
登山日・天候 2016年10月1日(土)・曇ときどき晴
行程 登山口前駐車場(10:50)〜湯無田高原〜変電施設前(11:20)〜山頂(12:10)〜下山路[※]分岐(12:20)〜ゴルフ場前(12:50)〜変電施設前(13:00)〜登山口前駐車場(13:20)

[※ガイドブック等では,スポーツセンターより東寄りの湯布高原ゴルフクラブ脇に下る別ルートとして紹介されていることもありますが,この道は一部でササ藪漕ぎとなるため(踏み跡は残っている),一般的には来た道を折り返した方が安全です。]


大船山から遠望。(2007.10)
福万山は由布盆地の西側にあり,盆地の東側にそびえ立つ由布岳と湯布院の町を挟み向き合っている山。呼び名は「ふくまやま」の他「ふくまんやま」「ふくまざん」等の表記もある。
南北に大きく裾野を広げ,南の湯布院側を「湯無田(ゆむた)高原」,北の玖珠側を「日出生台(ひじゅうだい)」と呼ぶ。
山頂部は玖珠町に属しているが,日出生台は自衛隊の演習地となっているため,登山道は由布市の「湯布院スポーツセンター」につけられたコースのみとなる。この道はスポーツセンターや近隣のゆふの丘プラザ(元・青年の家)の活動でも利用されるため整備されており歩きやすい。途中の草原からはくじゅう方面の眺めが良く,尾根に出てから山頂まではほぼ全方位に展望を楽しめる。

湯布院の町から九州横断道路を玖珠・日田方面へ上り,湯布院IC分岐を過ぎて湯布院スポーツセンターに入る。福万山登山者は、正式にはこのセンターに駐車し登山届を出すこととなっているようだが,今回はそのまま直進し,数百m先の登山道手前の空き地に駐車した。登山者と思われる車がすでに2〜3台駐まっている。
現在の福万山メインルートは、駐車場の前からからまっすぐ草原に向かう踏み跡(黄色いライン)の方だが、今回参照した古いガイドブック(1994年発行)には、この道を左に曲がった先で山道に入るルート(赤いライン)が示されていた。新旧どちらの道を選んでも草原の手前で合流し,あとは山頂まで1本道となる。
上りでは古い道を選んだが,路面が荒れ気味で距離も延びるので,特にこだわりがなければ正面の道を上った方が良い。
10月に入っても相変わらず暑いが,さすがに湯無田高原は下界より秋が深まっていた。遠くに九重山を望む草原を爽やかな風が吹き抜けていく。
草原を抜け,樹林帯に入る手前には変電施設が建ち,下りで使う予定の別ルートがここから右に分岐している。上りではそのまま正面の樹林帯に入った。
少し急な上りから沢を横切り支尾根伝いに森を抜け,主稜線直下の急登を上ると,あとは山頂まで眺めの良い快適な尾根歩きとなる。
右に由布盆地と九重山。左の日出生台では自衛隊の演習が行われており,雷かと思うような轟音が麓からズンズン響いてくる。
麓から見上げる山容から想像していたより山頂は狭く,北側に木々が茂っているので眺望も360度には足りない。とは言え由布・鶴見岳から九重山を経て万年山まで,南側の大展望だけでも十分満足である。

由布盆地を一望できるこの山頂で,昔はよく雨乞い神事が行われていたという。
山頂のすぐ西、歩いてきた尾根道の脇から下山路と思われる支尾根がせり出し,湯無田高原に下りている。
引き返して調べてみると分岐を示す小さな目印があり,草に埋もれがちながら踏み跡も見つかった。草をかき分け進んでいくと,左手に先ほどまでいた山頂と,ガスが晴れてきた由布岳の双耳峰が並んで見える。
この素晴らしい眺めを眼に刻んで,あとは麓までどんどん下っていくだけ・・・だと思っていたのだが。
下るにつれて地面を覆い隠していた草の丈が次第に高くなり,少しかき分けないと踏み跡が確認できない状態となった。不安になってきたが,いったん草地を離れ樹林帯に入ったのでひと安心。
この森の中も踏み跡は不明瞭だが、概ねまっすぐ下りていけば目印が見つかるのであまり気にならない。
しかし,このまま変電所の合流点にたどり着ける・・・と思っていたら,道はまた藪の中。今度は草ではなく背丈以上に伸びたササが生い茂り,腰をがかめて歩かないと全く踏み跡が見えない(足下には踏み跡が残っていたので助かった)。
ササ藪の区間は長い距離ではなかったが,中腰で必死で漕いで一気に疲れてしまった。
登山口となるゴルフ場の脇には,今もいちおう標柱が残っているが,最近は歩く人が減って荒れてきているのだろう。人には決しておすすめしないルートである。
この登山口から少し下り,西寄りの砂利道に入ってしばらく進むと,変電所の分岐点に戻る。ここからは湯無田高原をのんびり,まっすぐ下って駐車場に帰着。