山名/標高 国東半島峯道ロングトレイル
 国東コースK-6+α [約21.0km]

 両子山(ふたごさん/ふたごやま)/721m

登山日・天候 2017年12月2日(土)・曇のち晴
行程 梅園の里(08:50)〜龍頭大明神(09:30)〜諸田山神社(10:00)〜山王宮(10:15)〜古池(10:45)〜走水展望所(11:00)〜両子尾根入口(11:15)〜600mピーク(11:35)〜トンガリ山(11:55)〜両子山(12:05-12:20)〜お山めぐりコース〜奥ノ院(13:00)〜両子寺〜トレッキングセンター(13:20)〜県道55号線〜三浦梅園旧宅(15:00)〜梅園の里(15:20)
ルート軌跡

国東の最終コースとなるK-6の出発地点は,江戸時代の思想家で安岐出身の三浦梅園(1723-1789)にちなんで名付けられた宿泊施設「梅園の里」からスタート。高台にあり,キャンプ場や大きな天体望遠鏡など,青少年自然の家を思わせる施設で,名前のとおり梅の木もたくさん植えられている。
建物の横から看板に従い山道に入る。標識類は充分にあり,迷うことなく山道を下って龍頭大明神前に到着。
石段を下り人里に出てからは,両子山登山道に入るまで長い舗装路歩きとなる。(右)画像は龍頭大明神の近くにある尾富寺(おどめじ)跡。
12月に入りややピークを過ぎた感じだが,沿道の寺社や石塔と紅葉の取り合わせが美しく,長い舗装路歩きも退屈しない。
両子寺へ向かう県道と交差した先にある溜池には「世界農業遺産・古池」の説明板。水面に映る森と青空が美しいが,名前以外特に説明はない。
古池から両子山登山口までは林道を含む未舗装路となる。途中の走水(はしりみず)展望所からはアンテナの立つ両子山山頂がかなり近くに望めるようになる・・・が,残りの高低差は約250m,距離も3km近い。展望所を過ぎると,山頂ルートを回避する両子寺への近道が分岐している。
「両子尾根入口」の標柱からいよいよ本格的な山道に入る。両子山登山道は,ガイドブックでは両子寺から続く舗装路の往復コースしか紹介されておらず,この新ルート?がどれほど整備されているか半信半疑だったが,以前歩いた千燈岳の登山道と似た道で,K-3やT-2の峠越えのように迷うことはなかった。ただし,木の根や岩を掴んで上らなければならない場所もあるので,登山慣れしていない人は走水から迂回路を選んだ方が無難だろう。
登山道は最初の「600mピーク」まではほぼ真北に進む直登ルートで,ピークの少し手前から由布岳が望める。600mピークからは東に90度折れていったん急坂を下り,鞍部から次の「トンガリ山」までが最大の(上りの)難所。急坂を上りつめたトンガリ山には特に標識はなく,そのまま尾根伝いに進んで少し下ると両子寺から続く舗装路に合流。一気に興醒めするが,実はこの舗装路もなかなか手強い道だと下りで知ることとなる。
舗装路からは上り坂を5分程度で山頂に到着。展望台があるだけでトイレはない。
両子山は国東半島の最高峰で,190万年〜110万年前の火山活動による噴出物が半島全体に堆積している。六郷満山の総持院である両子寺を擁する霊峰であるが,半島の中央で一番高いということで現在の山頂はアンテナが立ち並び,メイン登山道も舗装された車道(一般車は通行不可)となってしまった。
とはいえ山頂からの眺めは素晴らしく,この日もかすみ気味ながら,姫島の向こうに浮かぶ山口県(周南や光の工場群),四国の山々,別府湾から祖母山,由布岳,場所を変えて北九州方面まで,ほぼ360度の展望を楽しむことができた(寒いので長居はできなかったが)。


(上)北側(周防灘方面)の眺め。 (下)南側(別府湾方面)の眺め。
山頂から両子寺までは舗装路の下り。この道は約7年前にも行き来したことがあり,記憶の中では「ただの舗装路」というくらいの印象しか残っていなかったが,あらためて歩いてみるとびっくりするほどの急坂であった。先ほどまでの山登りで足が疲れていたせいもあるが,とにかく足下が落ち着かない。
つづら折りの道を半分くらい下ったところで,トレイルのルートは左手の山中に分岐する「お山めぐり」の道に入り,両子山七不思議に数えられる「鬼の背割り」や「針の耳」といった奇岩をくぐり,岩の間に安置された石仏を見ながら両子寺奥ノ院に下る。いよいよ終点が近い。
1846(弘化3)年に旧杵築藩主から寄進されたという奥ノ院を参拝の後,重要文化財の国東塔,1991(平成3)年に再建された大講堂を経て本堂の護摩堂へ下る。両子寺に入るには通常300円の拝観料が必要だが,尾根を伝って両子山から下りてきた場合は支払わなくてすみそうだ。
護摩堂から,大きな仁王像の建つ有名な山門に下る石段の途中に,最近建てられたばかりの「仏の里トレッキングセンター」があった。無人の建物内には,国東半島の模型やトレイルコース中の(見覚えある)風景写真が展示されており,さらに最近制作されたと思われる全コースの公式マップ(冊子)とスタンプも置かれていた。マップの各コースには,途中の寺社等でもらえるスタンプの押印欄が設けられていたが,今さらスタンプラリーをする気にはなれない。とりあえず巻末の「全コース完全踏破」のスタンプだけもらっておいた(実際はK-5コースが残っているのだが・・・)。
両子寺から梅園の里までの8kmは,1台しかない車に戻るための独自オプションルート。三浦梅園旧宅までは車道に沿った緩やかな下りで全く問題なかったが,梅園の里までの最後の上りは車道から離れた山道で,最初は取り付きが分からず旧宅周辺をうろうろ。ようやく道を見つけ,上りついた先は出発地点(駐車場)の少し下にあるキャンプ場。ここから大回り気味に車道を上ってようやくゴールとなった。たぶん普通に車道を上った方が距離が短くて楽。
ゴール後は,梅園の里本館内にある「うめの湯」に入浴。天然温泉ではないが両子山の湧水を利用しているとのこと。入浴料は310円。