山名/標高 氷ノ山(ひょうのせん)/1510m
兵庫県と鳥取県の境にそびえる高峰。兵庫県の山としては県内一、中国地方の山としては大山に次ぐ2番目の高さを誇る。
「ひょうのせん」の山名は、昭和54年度に国土地理院が発行した地図で修正・統一されたもので、古くは鳥取県側で「須賀(菅)ノ山(すがのせん)」、兵庫県側で「ひょうのやま」(または単に「ひょう」)と呼ばれていた。鳥取での呼び名は、山頂に須賀の宮権現が祀られていたことに由来するもので、現在も山頂付近にみたらしの池(みそぎ場)や灯籠石などの遺跡が残されている。兵庫での呼び名「ひょうのやま」は、弘法大師がこの地を訪れた際、お布施としてもらったヒエが多すぎて持ちきれないので捨てて帰ったという言い伝えに因んだ「ヒエの山」が訛ったものとも言われる。
近代登山・スキーの対象となってからは、登山者の間で「ひょうのやま」または「ひょうのせん」の呼び名が一般的となり、また大正初年発行の地形図において「氷ノ山」が用いられたことなどから、この名が広く浸透した。戦後、鳥取県からの要望で地図表記が一時「須賀ノ山」に戻された時期もあったが、上述のとおり現在では地図表記、NHKでの山名呼称など、概ね「氷ノ山」で統一されている(地図については併記しているものもある)。
西側に湾曲しながら南北に延びるC字型の尾根を伝い、氷ノ山東麓から山頂を経て高丸山、鉢伏山へと達する縦走ルートは「氷ノ山ぶん回しコース」と呼ばれ人気が高い。他にも多くの登山ルートが開かれ、初心者から中・上級者まで技量に応じた山行が楽しめる。
周辺は西日本有数の豪雪地帯で、「ハチ北」「ハチ高原」などのスキー場を擁する、関西で最大規模のスキーエリア。積雪量は多いところで3〜5mに達し、冬期の遭難事例も多い。一般的な登山適期は4月下旬〜12月中旬。5月のツツジと10月の紅葉が特に名高い。

山 行 記 録
2001.09.30 2度目の挑戦。地蔵堂から氷ノ山越を抜け、山頂に着いたら大雨。
2003.09.28 氷ノ山ぶん回しコース。4度目の登山で初めての晴れ間。