山名/標高 英彦山(ひこさん)/1200m
登山日・天候 2010年11月4日(木)・晴
行程 豊前坊駐車場(08:25)〜北岳(09:05)〜中岳(09:25-09:30)〜南岳(09:40)〜大南神社(10:15)〜籠水峠(10:45)〜ケルンの谷(11:25)〜薬師峠(12:15)〜豊前坊駐車場(12:25)

これまで下りでしか歩いたことのなかった北岳から高住神社までの道を上りに使ってみた。
登山口の表示は,北岳まで1.3km,60分とある。ガレ場の多い急坂で下りも早く歩けないので,記憶の中では2km位に感じていたが意外に短い。
冬期は日中でも地面が凍結している場所で,当然気温が低く紅葉も進んでいると思っていたが,高住神社から稜線まではほとんどが青葉だった。
陽の当たる稜線に出ると,紅葉が目につくようになった・・・が,こちらはブナの葉が散りかけており,ピークを過ぎた状態。ちょうど良い加減がなかった今年の夏〜秋の気候に合わせるように,山の移り変わりも慌ただしく,場所ごとの差が激しい。
北岳山頂には,高住神社から約40分で到着した。空気が澄み,抜けるような青空の下,葉の落ちかけた枝の向こうに見事な展望が広がっていた。
点々と紅葉の残る中岳に向かう縦走路。道の周囲にブナの大木がまばらに生える様子は,ブナ林というよりブナ庭園といった趣。その庭園から望む南の山々は霧の海に沈み,彼方にひときわ高く由布岳やくじゅう連山,阿蘇五岳が浮かぶ。

中岳山頂広場からの眺め。くじゅうの中腹からは,硫黄山の噴煙が立ち上る様子まではっきり確認できた。
上宮に参拝した後,南岳から鬼杉へ下る。この道を下りに使うのも今回が初めてで,多少不安もあったが,鎖のしっかりしている岩場は,思っていたよりも楽に下ることができた。
紅葉は鎖場から材木岩にかけての斜面がピークに近く,裏英彦山もこのくらいの色づきを期待したが,裏英彦山道との分岐まで下ると青葉が目立つようになった。大南神社の紅葉もまだこれからという感じ。
裏英彦山道は以前より分かりやすくなった感じで,テープなどの目印も多い。踏み跡は錯綜しているところもあるので,周囲の木の幹や枝にテープが巻かれているか見渡しながら進むのが安全である。
平日でもあり,こんなマニアックな道で他の登山者に会うはずないだろうと思っていたが,途中で10名以上のにぎやかな団体に会ってびっくり。そのせいか(?),前回はすぐ近くに響いていた鹿の声が,今回は遠くからかすかに聞こえてくるのみだった。
裏英彦山ルートの紅葉は表の登山道と同様,場所によりかなりばらつきがある。籠水峠付近は色づきはじめ,ケルンの谷付近大半が青葉のまま,その先薬師峠に近づくにつれて再び色づきが良くなってきた。これも今年の極端な寒暖の差が影響しているのだろうか。
この日の裏英彦山では,薬師峠に下る最後の尾根筋が最も紅葉が進んでいた。各年の気候にもよるが,ブナの多い谷間は紅葉が遅れ気味なので,この辺りの黄葉を楽しむなら11月第2週頃が良さそうである。
植林帯から林道を経て薬師峠に出ると,駐車場の向こうに紅葉した鷹ノ巣山(一の岳)がそびえ立つ。ここもそのうち登ってみたい。さらに県道を歩いて,豊前坊駐車場にはちょうど4時間で帰着。意外に短かったが,充実した周回ルートだった。