山名/標高 聖(ひじり)山/1113m
登山日・天候 2004年3月27日(土)・晴
行程 樽床ダム駐車場(09:25)〜中ノ甲林道入口(09:30)〜十文字峠(10:00)〜高岳縦走路分岐(10:25)〜山頂(10:30)〜(折り返し)〜十文字峠(11:05)〜樽床ダム駐車場(11:30)

徳地では桜の開花がはじまった3月最後の週末。天気は快晴。
早春の西中国山地、それもまだ歩いたことのない聖山〜高岳の縦走路を(ササが枯れて歩きやすいうちに)歩いてみようと思い立ち、戸河内ICを下りて聖湖畔へ。しかし、国道191号線の道端にはまだ雪が残り、遠望する山々の山上もまだ白い・・・さすが芸北。
樽床ダムのそばで車を降りると空気がひんやり。登山口にも雪が残る。
中ノ甲林道に入ると、葉の落ちた木々の中にヤドリギだけが残っている。雪は森の中だけでなく、時に林道の上にも残っているが、固く締まっているのでワカンを履く必要はなさそう(持ってきていなかったのでひと安心)。
この林道は、聖山、砥石郷山の側を通り、恐羅漢山の北側、広島と島根の県境にある中ノ甲国有林まで続いている。道路は未舗装だが、4輪駆動車なら走行可能(ただし悪路なので運転は慎重に)。車道終点まで車で入ると、恐羅漢山北面の台所原に残された広大なブナ林を抜けて山頂まで約1時間の行程。
色のない森の樹幹越しに、聖山と高岳の山頂部が見える。
林道を30分くらい上ると、十文字峠と呼ばれる場所に出る。左手に大きな作業道(入口に鎖が張られ立入禁止)、右手には聖山山頂を示す標識(右)があり、森の中に細い道が続いている。この標識を見落とさないように。
登山道は細いがしっかりした道で、テープを辿るまでもない・・・と順調だったのは最初の数百mまで。その後は真っ白な地面から突き出した木の幹や枝に巻き付けられているテープだけが頼り。
ルートを見失いかけたところで、雪の上にしっかり残された足跡を発見。「良かった、これを頼りに」と近づいてみたら・・・・・(右)。
20cm近くありそうな足跡。てっきりクマだと思っていたが、後日「大きなイノシシ」のものと判明。いずれにしても、ご対面しなくて良かった。
十文字峠から25分、先ほどの足跡からは10分足らずで、高岳縦走路との分岐に出る。
縦走路の先も雪に埋もれ、テープだけが頼りとなりそうな感じ。過去にこの道を歩いたことがなく、無事たどり着けるか不安が大きかったので、縦走は諦めることにした。
分岐から矢印に従い、カラマツ林の雪の中を5分くらい歩いて山頂に到着。展望は全くない。

山頂から50mほど進むと切り開かれた広場があり、岩の上に立つと南西に眺望が開ける。
雪が消え、カラマツに緑が戻ったころ、縦走に再挑戦することにして、来た道の足跡とテープを辿りながら下山。
ルート探しに気を使い、長時間山にいたように感じられたが、実際の所要時間は往復で2時間弱。昼食にも少し早い。
このまま帰ったのでは面白くないので、別の山に登ろうと考えたが、聖湖対岸の臥龍山(右)の山肌にも、ブナの枝越しに真っ白な地面が垣間見える。広いブナ林の雪の上には、大きな足跡もたくさん残っていることだろう。
この近くに、積雪が少なく、短時間で登れ、できれば眺めの良い、手頃な山はないだろうか・・・