山名/標高 九重(くじゅう)山
 平治(ひいじ)岳/1643m
 北大船(きたたいせん)山/1706m
 大船(たいせん)山/1786m

 画像左:北大船山から望む平治岳
 画像右:米窪の縁から望む大船山

登山日・天候 2004年6月17日(木)・晴ときどき曇
行程 男池駐車場(07:10)〜男池(07:15)〜かくし水(07:40)〜ソババッケ(08:00)〜大戸越(08:45)〜平治岳(09:20-09:30)〜大戸越(09:55)〜北大船山(10:40)〜段原(10:45)〜大船山(11:00-11:15)〜段原(11:30)〜岳麓寺分岐(12:35-13:05)〜風穴(13:10)〜ソババッケ(14:00)〜かくし水(14:15)〜男池駐車場(14:40)

♪ミヤマキリシマ咲き誇る 山はピンクに大船の
(坊がつる讃歌・3番より)
という風景を期待して、2か月連続で訪れた九重山。今回の目的地は当然、ミヤマキリシマのメッカ、平治と大船。
この時期、休日はすぐ満車になるといわれる黒岳・男池駐車場だが、平日の早朝はさすがにガラガラで、他に2〜3台の車が停まっているだけ。
人の少ないうちに登ってしまおうと、日本名水百選・男池を経由して深い原生林を急ぎ足で奥へと進む。
登山道の取りつき部となる黒岳のふもとに広がる原生林は、草原やガレ場のイメージが強い九重山群の中にあって強く異彩を放つ。西中国山地でも滅多にお目に掛かれないような深い森と巨木、男池やかくし水(左)といった清らかな湧水。
くじゅうらしからぬ世界に驚きながら上り坂を歩いていくと、やがて周囲を山に囲まれた窪地に出る。ここが黒岳と平治岳の登山道が分岐する「ソババッケ」。
ソババッケ分岐周辺の木々からはシャクトリムシが垂れ下がり、はらい除けながら歩くのに一苦労。窪地の縁に出て大戸越への上りにかかると、道は荒れ気味となりテープと踏み跡が頼りとなる。
上るにつれ、シャクトリムシに代わって大小の羽虫が目の前を飛び交いはじめる。刺したりはしないが非常にうっとうしい。大戸越に近づくにつれて数はどんどん増える。
大戸越からは、先月同様に急斜面を平治山頂に向かう。驚いたことにここにも誰もいない・・・いないはずである。花が全くない。
先月中腹に咲いていた花はほとんど散ってしまい、山頂付近も虫に喰われてしまったのか、花は跡形もない。岩や葉の上にうじゃうじゃいたシャクトリムシもいなくなっていたが、その代わりに羽虫がブンブン。
やつらが羽化した姿か、これは?

平治山頂からの眺め。西から北にかけて晴れ渡り、英彦山や釈迦ヶ岳など福岡県境の山々までよく見えた。
(左)東から南にかけては雲海が広がり、由布岳が頭だけを突き出している。その姿はまさに「豊後富士」。

平治山頂から急斜面を駆け下り、大戸越から向かい側のガレて歩きにくい斜面を上り、北大船山へ。こちらのミヤマキリシマも予想に反し、先月よりも花は少なくなっていた。

左2点は北大船山周辺からの眺め。祖母・阿蘇も雲海の上に浮かぶ。九重山を境に?北と南で天気が異なるのが面白い。
それにしても登る人が少ない。平日が毎年こんな状態なら、来年も訪れてみたいものだが・・・
(左)御池ごしに望む雲海

大船山頂からは段原に戻り、米窪の縁を通って黒岳方面に向かう。
花のないミヤマキリシマ群落を抜け狭い灌木帯に入ると、堅い枝が腕やリュックに引っかかり、まっすぐ歩くのに苦労する。ようやく抜け出して下りの樹林帯に入ると、すごい急坂でゆっくり下りるだけでも足が疲れる。

北大船山と黒岳の間の谷は深く、目の前にあったはずの高塚山のピークが、いつの間にか視線の遙か上に移動してしまった・・・
本当は最後に黒岳(高塚山&天狗岩)を登る予定だったのだが、時間と体力(というかむしろ気力)的に無理だったので、諦めて鞍部で昼食にし、そのまま男池に戻ることにした。

昼食後、男池方面に5分ばかり道を下ると、周囲に転がる岩の間から、一気に体が冷えきってしまうような冷たい風が。このあたりが「風穴」か。

(左)の風穴にはロープがつけられ、中に下りることが可能。底に見えるのは氷か雪の固まり?

風穴周辺は岩がゴロゴロしており踏み跡はなく、木の枝に巻かれたテープが頼り。しばらく行くと巨木の根を足がかりの急な下り。平地に下りるとソババッケの分岐が間近。そこからは往きの折り返しルートで男池へ。