例年になく色鮮やかな今年の紅葉を見るにつけ、ぜひ再訪したいと思っていたのが、英彦山、比婆山、それに三瓶山だった。 悪天候や所用のため計画の延期や中止を繰り返しているうちに紅葉のピークも過ぎてしまったが、実家に帰ったついでに三瓶山に登ってみることにした。 早朝、益田から2時間10分足らずで北の原に到着。青年の家駐車場から姫逃コースに入る。その名のとおり「姫逃池」の近くにつけられた道だが、池自体は登山口から数百m離れた場所(三瓶自然館サヒメルの近く)にある。画像は下山後に撮影。 |
山陰の紅葉はこの日、国道9号線の沿線が最も見ごろで、三瓶山麓を周回する高原道路の回りはすでに色あせ気味。とはいえまだまだ美しく、登山道に入ってすぐの森の中も色鮮やかだった。 登山道はよく整備されており、分岐点のほか50mごとに標高を示す標柱も立てられている。このルートは男三瓶山頂への直登路(標高差約600m)だが、登山道はジグザグにつけられており胸を突くような急登もなく気持ちよく高度を稼げる。しかし、曲がり角をショートカットする登山者が多いと見え、道のいたるところにロープが張られ、子どもパークレンジャーのメッセージがくくりつけられていた。 |
標高900mを越えたころから、周囲にブナが多くなってくる。このくらいの標高になるとさすがに葉の残っている木はない。 男三瓶山頂は風が強く、空は曇り周囲は霞んで眺めはほとんどない。ふもとは晩秋だが、ここはもう初冬であった。 じっとしていると寒く、すぐに女三瓶への縦走路に入った。 | |
男三瓶山頂部全景。山頂小屋は外壁の一部が補修されていた。 |
男〜女三瓶縦走路からの眺め。室内池周辺も色を失い、寒々としていた。 |
女三瓶からリフト乗り場に下り、大平山から孫〜子三瓶への縦走路へ。 標高が下がりブナはなくなったが、周囲の木の枝にまた少し色(落ちてない枯れ葉の)が戻ってきた。 遠望する孫・子三瓶の稜線は起伏が激しく、先の道行きが思いやられる。 |
孫三瓶の上りは予想どおりの急坂だったが、距離が短いのであまり苦しむ間もなく山頂に到着。引き続き室内池、三瓶温泉への道が分かれる四つ辻「風越」の鞍部を経て子三瓶山頂へ。こちらも急坂だが距離は短い。 それにしても登山者が少ない。午後から雨が降るという予報の(実際降り出した)曇り空だからか、土曜日にもかかわらず三瓶山1周の間に出会ったのはわずか4人だった。 |
子三瓶山頂からの眺め。ここからは女三瓶を従えた男三瓶が眼前に大迫力で迫ってくる。 |
子三瓶から急坂を下り、男三瓶との鞍部からさらに室内方面に下る。鞍部から室内池にかけてはまだ紅葉が残っていたが、それよりも道を埋めつくす落ち葉の方がもっと多い。三瓶の秋はまもなく終わろうとしている。 室内池の周りはさらに落葉が進み、ほとんどの木が葉を落とし冬支度をすませていた。 |
室内池から再び女三瓶まで上り、アンテナ施設の側を通って北の原への下山路に入る。下るにつれて周囲の森にまた色が蘇ってきた。 登山道は途中からコンクリート舗装された作業道につながる(接続付近にトイレあり)。通る車がないのか道路は落ち葉に隠れ、おかげで車道を歩いているという味気なさを感じずにすむ。周囲の紅葉はさらに鮮やかになってきた。 |