筋湯温泉から南へ数km進んだ車道脇に一目山登山口がある。 路肩の駐車スペースに車を置き、いま上ってきた坂道を逆に筋湯へ下り疥癬湯へ向かう。 八丁原地熱発電所の真っ白い噴気が青空に映える。筋湯では「うたせ湯」利用者のための公共駐車場が少し高い場所に新設されていた。 |
旅館街を過ぎて川沿いに少し下ると「ひぜん湯」と湧蓋山登山口の標柱が現れる。左折して細い坂道を下ったところが有料駐車場。その先、橋を渡った場所には以前は湯治小屋が建てられていたが、昨(2005)年の集中豪雨で流されてしまい、現在は空き地となっている。登山道は空き地の奥の森から上りはじめ、すぐに草地に出て林道と出会う。 |
工事作業の車両とプレハブ小屋の間に続く登山道は、草斜面にジグザグにつけられた上り坂。途中で振り返ると筋湯温泉街や泉水、黒岩、猟師山を一望。さらに上に進むにつれ、左手にみそこぶし山、一目山のピークも見えはじめる。 新緑は色淡く、草原にはまだ枯れ草の方が目立つ。所々でミヤマキリシマが花を咲かせているが、やはり季節が遅れているような感じを受ける。 |
上りがひと段落し、広い草原の向こうに湧蓋山が姿を見せる。玖珠町や小国町から眺める「富士山型」とは大きく印象の異なる山容。 登山道は左(女岳)に回り込むように草原を横切り、石の塔駐車場を過ぎて有刺鉄線の張られた細い道に入る。 |
登山道は草原を離れいったん杉林に入り、窪地を過ぎて工事作業中の林道に出る。岳の湯(西)へ少し進むと湧蓋越。ササが被り気味の道に入り、踏み跡を辿っていくとすぐに視界が開け、展望の良い斜面となる。 ここから女岳までは直登の単調な上り。ミヤマキリシマやリンドウ、周囲の大きな展望に気分を紛らわしながら高度を稼ぐ。 |
女岳のピークに到着しほっと一息。しかし、その前方にそびえる円錐形の山頂への道は相変わらずの直登で、いままで以上に角度を増しているように見える。 時計を見ると疥癬湯から上りはじめて1時間10分ほどだが、その前の万年山の上りが足にこたえたのか、急坂を前にいったん荷を下ろし、重くなってきた足を少し休めた。 | |
ひと息ついて取りついた山頂への上りは予想どおりの急坂で、石が多くガレ場もあるので歩きにくい。が、下から見上げていたほど長くはなく、10分足らずで山頂に到着した。 山頂は南北に長い草地で、展望は特に東から南にかけてが素晴らしい。九重連山と阿蘇外輪山、その奥に横たわる五岳のシルエットは、いつまで眺めても見飽きることがない。 |
北西から南西にかけての大パノラマ。 |
西から北西にかけての眺め。霧は晴れたが、遠くはやはり霞み気味。 |
山頂には2つの石祠があり、男神、女神の石像が祀られている。 雄大な眺めを前に去りがたい気分の山頂を後にして、みそこぶし山、一目山へと急斜面を下った。 |
湧蓋越から来た道を戻り、有刺鉄線手前の牧柵から草原に出て、踏み跡をみそこぶし山方面に辿る。 途中に標識も立っているが、おおむね山へ向かってまっすぐ歩いていくような感じでみそこぶし山ピークに到着。 ここから一目山へは広い作業道を歩いて行ったが、実際の登山道は別の道らしい。他にも踏み跡が分かれている場所があるが、下りのみで利用する場合は分岐の標識が分かりにくいので注意。 |
作業道は途中で左右二手に分岐し、左が下り、右が上りの道となる。標識がないので迷うところだが、右に折れて少し上るとすぐに分岐標識が現れる。 ここからは林道と思われる広い道に出て、正面に一目山を見ながら緩やかに下る。 |
2本の舗装路に包囲されたような形の一目山。登山口は左の細い道(起点の駐車場へ下る)に入ってすぐの標識が目印。 かなり疲れてきた足に最後のひと鞭、それほど長くない草斜面を上りきると三等三角点のある一目山山頂。 |
最後のピークから雄大な眺めを楽しんだのち筋湯温泉に下り、うたせ湯で汗を流した。 |