山名/標高 瓦小屋(かわらごや)山/664m
三倉(みくら)岳/702m
登山日・天候 2007年8月12日(日)・晴
行程 三倉平駐車場(12:05)〜大栗林バス停(12:30)〜登山口標識(12:35)〜630mピーク(13:45)〜灯籠岩(14:50)〜三倉岳山頂(15:10)〜下の岳(15:25)〜中の岳(15:35)〜登山道Bコース〜三倉平駐車場(16:35)
瓦小屋山は、三倉岳の南に隣接し、三倉岳山頂から尾根伝いに縦走が可能。稜線上には岩の露出したピークがラクダのコブ状に連なり、そのうちのひとつが663.8mの三角点を持つ山頂。ただし、地元では南端の630mピークを山頂としている。
登山道は三倉岳からの縦走路のほか、麓の栗谷からも登山道が延びている。三倉岳の見た目のインパクトに押され影が薄いが、起伏に富んだ稜線、各ピークからの展望の良さなど、なかなかに魅力のある山で、時間と体力に余裕があれば一度足をのばしてみることをおすすめする。ただし、県立公園・三倉岳に比べると道は細く荒れ気味。

クライミングウォールが設置された三倉平駐車場から、まずは瓦小屋山へ登るため、来た道を引き返して、栗谷へ下る。
栗谷小学校の先で県道に出て、右に少し行くと「大栗林」のバス停があるので、右折して細い道を再び山の方へ向かう。
特に標識はないが道なりに進んで行き、小さな橋を渡ると、道端に「瓦小屋登山口」の標識がある。これに従い、民家の間に延びる細い道に入る。
この道はセメント舗装された一本道で、雑木林の間を緩やかに登っていく。登山道としては少々物足りないかもしれないが、暑い時期にはこのくらい楽な道の方がありがたい。このまま山頂まで続いてくれたら、と思っていたが・・・
瓦小屋山への登山道は途中から右手に分岐し、夏草と蜘蛛の巣に覆われた細い踏み跡に変わる。
踏み跡はしっかりしているが、数歩歩くごとに蜘蛛の巣が現れるので、取り払うのに時間がかかり、なかなか前に進めない。最初は手で払っていたが、あまりに数が多いので、途中からは枝切れを振り回しながら登っていった。
道は次第に急坂となり、歩くペースも落ちるが、蜘蛛の巣も相変わらず多いのでさらに時間がかかるようになった。
いつまで登っても頂上に着かないような感じで上りに飽きてきた頃、ようやく周囲の展望が垣間見えるようになってきた。かなり高度を稼いだのは実感できるが、山頂まではさらに急な上りと蜘蛛の巣払いが続き、うんざり。
二本の木が根元で合わさっている「合体木」?の手前が、630mピークと瓦小屋山頂〜三倉岳への縦走路の分岐点。上ってきた方からは見えないが、振り向くと木の幹に標識がかかっている。
この分岐からさらに数百m直進すると630mピークに出る。個人の登頂標識が幾つか掛かっているだけのひっそりとした場所。展望はあまりないが、茂みの間から羅漢山などが望まれる。
行き止まりとなったので来た道を引き返し、分岐標識を見て三倉岳への縦走路に入った。

630mピークから南に踏み跡が続いており、少し進むと展望の良い場所に出る。道はここで行き止まり。
三倉岳山頂までアップダウンを繰り返す縦走路。岩場を乗り越えたり急坂をロープで下ったり、相変わらず蜘蛛の巣を払い続けたりとせわしない。目印は充分でなく、一部踏み跡が不明瞭な場所もあるので要注意。
岩場の上に出ると眺めが良く、風が吹き抜けて気持ち良い。幾つかあるピークの中のひとつが三角点のある(らしい)瓦小屋山頂だと思われるが、標識を見過ごしてしまったのかよく分からなかった。
風が強いせいか、この時期にしては空が澄んで遠望がきく。
北西には、山頂のレーダーですぐそれと分かる羅漢山がどっしりとそびえ、南に目を転じると、瀬戸内海の彼方に四国の山々と思われる峻険な稜線が幾重にも連なっていた。

瓦小屋山ピークからの眺め(南東)。遠くに四国の山並みを望む。

瓦小屋山ピークからの眺め(北西)。この位置からは小五郎山はちょうど羅漢山の背後に隠れてしまう。
蜘蛛の巣だらけの縦走路を抜けて、やっと三倉岳山頂に到着。
いったん九合目小屋に下り、下の岳(夕陽岳)への上りルートからは、道が広いので蜘蛛が間に巣をかけていることもなく快適に歩くことができた。
時間が遅いからか、三倉岳に入っても他に登山者の姿はなく、ひっそりとしている。鎖場で足を滑らせても、今日はもう誰も通りそうにない。慎重に足を運んだ。

三倉岳山頂の樹林帯を抜けると、眼前に下の岳の岩峰が大きくそそり立つ。やっと来たー!という感じ。
中の岳の上にも誰もいなかった。時間が遅いというより、この時期強烈な直射日光にさらされる岩登りは敬遠されているのだろうか。
狭い岩のピークで360度の展望(一部を下の岳が遮っているが)を楽しんだ後、上の岳はパスしてBコースを一気に下り駐車場に戻った。

中の岳から北の眺め。西中国山地の稜線がくっきり浮かぶ。時間と双眼鏡のないのが悔やまれた。

中の岳から南西の眺め。太陽が下の岳のかげに隠れると日没が近いように感じられ、急ぎ足で下山した。