山名/標高 蒜山(ひるぜん)
 下蒜山(しもひるぜん)/1105m
 中蒜山(なかひるぜん)/1123m
 上蒜山(かみひるぜん)/1202m(三角点1199m)
登山日・天候 2012年5月12日(土)・曇のち晴
行程 犬挟峠(12:00)〜雲居平〜下蒜山(12:55-13:00)〜フングリ乢(13:40)〜中蒜山(14:05-14:20)〜上蒜山(15:10)〜上蒜山登山口駐車場(16:45)

東西に三つのピークを連ねる蒜山の縦走は,東の下蒜山側が犬挟峠の旧道,西の上蒜山側が上蒜山スキー場付近からとなる。今回は犬挟峠から下〜中〜上の順に縦走することにした。
犬挟峠の標高は510mで,下蒜山山頂が1105m(標高差595m)。上蒜山の場合は,登山口540mに対し山頂1199m(標高差659m)となり,一見今回のルートの方が楽そうだが,上り標高差の合計は下〜上が1197m,上〜下が1167m。実は下蒜山起点の方が若干上りのきついコースである。
岡山県の登山道は直登できついという印象があるが,蒜山も例に漏れず,上・中・下どの蒜山も急坂の直登が連続する。
下蒜山の場合,登山口からすぐに長い上りがはじまる。五合目から草尾根に出て,六合目「雲居平」でようやく緩斜面となりほっと一息。
ここは下蒜山の山頂よりも眺望が良く,路傍にカタクリの花も見られる(例年より遅い?)。次の急登まで息を整えながら,ゆっくり歩こう。
七合目から再び急坂となり,八合目には簡単な鎖場もある。この鎖場を越えるとすぐに山頂・・・ではなく,そこは前衛峰の九合目。騙されたショックでますます足取りが重くなり,山頂に着くとベンチにへたり込んで5分休憩を取った(というか動けなかった)。
天気予報では午後から晴れるとのことだったが,山頂の周囲はまだガスに覆われ展望はきかなかった。気を取り直し,ぬかるんで滑りやすい道を中蒜山へと下る。
下蒜山から中蒜山に向かう下りの樹林帯では,カタクリに代わってイカリソウやイワカガミが多く見られた。
鞍部の「フングリ乢(たわ)」は,その昔八束に住んでいた大男が伯耆国へ遊びに行くためこの乢を越えようとして,股間をぶつけてしまった場所と伝えられる。
ここから再び上りに転じ,塩釜冷泉からの直登コースと合流すると,避難小屋を経てすぐに中蒜山山頂に到着。
相変わらずガスが漂っているが,眼下の蒜山高原とその先の三平山や毛無山などは良く見えるようになってきた。
中蒜山と上蒜山の間は,距離が短く見た目もすっきりしているので,何となく楽に行けそうに感じるが,鞍部からの上り標高差はこちらの方が大きい。
中蒜山からは再び姿を見せはじめたカタクリや,ショウジョウバカマを眺めながら快適に下ったが,上りにかかると再び下蒜山並みの急登と鎖場。上り切った先には,樹林帯の中の広場に山頂標識らしきものが立っていたが・・・
よく見ると「<上蒜山頂上」とある。「<」は方向を指すのか?その先には確かに踏み跡が続いている。
ササが被るその踏み跡をかき分け5分ほど進むと,確かに三角点標柱があった。標識地点と同様に眺めは悪く,来訪者も少なそうな静かなピークである。
元の場所に戻り,スキー場方面に下山開始。上空のガスはやっと消え去り,午後のまぶしい日差しが下山路の草尾根にまんべんなく降り注いでいた。
当初計画の時間を過ぎていたが,急いで下るにはもったいなく,何度も立ち止まり写真を撮りながら,ゆっくり駐車場に降り立った。

上蒜山八合目(槍ガ峰)付近から,かつては湖だったという広大な蒜山高原を一望。