今回は「一気登山道」を少し下り,内山と鞍ヶ戸の鞍部「船底」の下まで車道を辿り,尾根に出てから鶴見山頂まで縦走するルート。 車道との合流点には「こや・さとう新道」の標識が立っている。「新道」とは,この車道のことか?よく分からないが舗装された道を内山方面に進む。 |
・・・舗装路をしばらく進むと,見覚えのある場所へ。木越しにロープウェイ乗り場が見え,近くに「一気登山道」の看板。 どうやら,さっき下った登山道が「新道」で,今こうして「旧道」を歩いてもとの場所に戻ったようだ。気を取り直して先へ進む。 紅葉を眺めながら10分くらい歩くと,新しい堰堤を設置中の工事現場に出る。道路上には車止めのバーが下ろされているが,登山禁止の標示はない。バーの脇を抜け,そのまま奥へ進んだ。 |
内山を正面に望む右画像の場所で道が二手に分かれるので,左の道を堰堤の方に少し上ると,道端に「登山道→」「船底→」などの看板が立っている。 この矢印に従って堰堤の間を横切ると,再び同種の看板が現れる(字は消えかけている)。ここから支尾根に取りつき,船底まで一気に上っていく。もともと踏み跡が細いうえに,落ち葉でますます分かりにくくなっているが,短い間隔で木の幹や枝にテープが巻かれており,所々に標示板も立っているので,これらを辿っていけば迷いにくい。 |
急坂を上って,やっと「船底」である。振り向くと別府湾が一望のもと,左右を見れば内山と鞍ヶ戸が両側から迫ってくる。 もうそのまま,鞍ヶ戸に上って鶴見岳まで行きたい気分ではあったが,山頂を見過ごすのはやはりもったいない気がしたので,まずは内山にピストン。上り25分,下り10分の滑りやすい急坂だった。 |
内山山頂からの眺め。8年前のほぼ同時期と比べ,かなり寒い。遠望する鶴見・由布山頂だけでなく,内山にも霧氷が見られた。 |
船底へ戻り,いよいよ鞍ヶ戸〜鶴見岳へ。 猪の瀬戸(鶴見岳と由布岳の間)に下る西登山道の分岐が船底にもある。この道は鞍ヶ戸の西麓を巻いて西登山道に合流することになるが,途中で鞍ヶ戸方面に上り返すルートもあり,これが「船底新道」と呼ばれている。よく見ると分岐標識にも小さく書いてあったのだが,見落としてそのまま旧道を直登し,新道との合流点に出た。 ちょうど鞍ヶ戸から下ってきた人がいたが,そのまま新道の方に下りていった。 ちなみに,距離は新道の方が倍くらい長い。 |
西にそびえる由布岳の頂も粉砂糖をまぶしたように白く,寒々しい。正午を回っても日差しは弱く,きょう1日霧氷が消えることはなさそうだった。 |
由布岳(左)と内山(右)。約300mの標高差が,頭の白さに現れている。 |
鞍ヶ戸山頂と鶴見岳の間には,まだいくつかのアップダウンが残されている。途中の「馬の背」と呼ばれる鞍部は,猪の瀬戸に下る西登山道の分岐点。ここから下り,山頂をパスして一気登山道の途中に出てくることもできる。 馬の背を過ぎると岩場など急峻な場所はなくなり,山頂に立ち並ぶテレビ塔を正面に見ながらの緩やかな上りとなる。 山頂手前に平坦な樹林帯があり,1グループが昼食休憩をとっていた。観光客が多く騒がしい山頂を避け,ここでゆっくりするのも悪くない。 |
たどり着いた山頂は,遠目に見えたほど「真っ白」ではなかった。天気は徐々に良くなってきて,風に散ってゆく霧氷も多くなった。 |
霧氷の残る山頂から,いつもの登山道を一気に下ると,冬枯れの森にまた色彩が戻ってくる。 銀杏の黄色いじゅうたんを敷き詰めた火男火売神社付近は,散り残った紅葉のすき間から日差しがこぼれ落ち,森の中を美しく輝かせた。 いままで気づかなかったが,火男火売神社にも駐車場があり,ここから登りはじめる登山者も多いらしい。鞍ヶ戸を含め,山頂付近をゆっくり巡るなら,その方が便利かもしれない。 |