山名/標高 一位ヶ岳(いちいがだけ)/672m
登山日・天候 2012年12月27日(木)・晴ときどき曇 
行程 県道38号線・花瀬峠入口(07:40)〜TV中継所(08:25)〜花瀬峠(08:40)〜一位ヶ岳(09:30-09:45)〜椎ノ木コース入口(10:20)

参考:県道沿いを起点に周回した場合の所要時間は,起点から各登山口までの移動時間として計30〜40分上乗せされる。

白滝山や天井ヶ岳からの縦走ルートを除けば,これまでは椎ノ木からの登山道を往復するしかなかった一位ヶ岳に,つい先頃(2012.11)地元有志により新しい登山ルートが開かれた。俵山温泉から西に林道を辿り,長門市と下関市(豊田)の境界尾根上の「花瀬峠」から稜線を北西に伝って山頂に至るこのルートは,荒廃しヤブと化していた古い登山道を復活させたものだという。距離が長く健脚向きだが,今後の利用者増に期待したい。
花瀬峠手前のTV中継所まで(3.4km)は車道が通じており,県道入口からここまで車を乗り入れることも可能だが,道幅が狭く駐車スペースも充分ではないので,県道から歩いた方が無難である。また,県道を起点とすることで椎ノ木ルートと合わせた周回コースを歩くことも可能となる。この場合,2つの登山口の間にある七重川河川公園や麻羅観音の駐車場を利用すると便利である。

県道38号線を俵山温泉から油谷方面へ進み,俵山病院を過ぎるとすぐに小さな四差路が現れる。左手の細い林道の入口に「花瀬峠4.1km 山頂まで6.6km」の看板が立ち,ここが「花瀬ルート」の出発点となる。
林道を数十m進むと,左手に1983年に設置されたという聖母マリア像が静かに立っている。軽く挨拶の後,林道を奥へと進む。
林道は車1台分の幅しかなく,奥の方は未舗装の砂利道となる。路面は整備され普通車でも走行可能だが,離合や駐車のできる場所は限られている。むやみに入らない方が無難だろう。
じわじわと坂を上り続け,ときどき見晴らしの良い場所にさしかかると,意外に高度を稼いできたことに驚く。が,山頂はまだまだ遠く,高い。
稜線が近づいてくると道が二手に分かれる。何も標識がないが,コースどおりTV中継所を目指すなら左へ。右へ進んでも尾根に出られるようだが,途中でアンテナ施設の工事が行われており,状況によっては通れないかもしれない。
林道終点のTV中継所前から,標識に従い鋭角に折れ曲がって登山道に入る。花瀬峠までの道はアンテナ設備の巡回などで定期的に人が歩いているからだろうか,よく踏まれた感じで最近切り開かれた形跡はなかった。
「村有林 大正八年」の標柱が残る花瀬峠は,木々が生い茂り周囲の展望は望めない。ここが主尾根との交差点になり,一位ヶ岳山頂への道(あと2.5km)は峠の標識から右に鋭角に曲り樹林帯の中に続いていく。
標識があるので間違うおそれはないが,万一まっすぐ進んで峠を下った場合は,一ノ俣温泉に出られる(はず)。
花瀬峠から先は,切り株やヤブの伐採跡,真新しい目印テープなど,開かれたばかりで道が分かりやすい反面,地面に切り残しなどがあって歩きにくいところもあった。稜線上も意外に起伏があり,山頂手前は椎ノ木ルートと同様の急斜面となっている(ロープ付き)。
尾根歩きにしては途中の展望がほとんどないのが残念だが,一位ヶ岳第二のルートとして利用者が増え,しっかりした踏み跡がついてくれることを期待したい。
山頂は360度の大展望。以前(もう10年近く前)来たときよりも見晴らしが良くなったように感じたのは,単に天気のせいだろうか。
北から東にかけては,長門の山々や鳳翩山の向こうに雪をかぶった十種ヶ峰や高山を望み,千畳敷越しの海の彼方には見島も視認できた。
南から西にかけては,薄くたなびく雲海の上にそびえ立つ華山,狗留孫山,その奥に並び立つ竜王山,鬼ヶ城が圧巻。
この雲海と,まぶしい日差しのためにはっきり確認できなかったが,条件が良ければ周防灘やその先の九州も見えそうな感じである。
展望を楽しんだ後は,椎ノ木ルートを下った。こちらは北に面して日当たりが悪いためか,花瀬ルートに比べ雪が多く残っていた。
以前は,地元小学生が立てた絵入りの看板が多く立っていたが,現在は中高年向けのメッセージが,道標を兼ねて?道のあちこちに設置されている。