山名/標高 田原(たはら)山/542m

国東半島峯道ロングトレイル
 豊後高田コースT-1〜T-2前半 [約19.5km]

登山日・天候 2016年11月12日(土)・晴のち曇
行程 鋸山トンネル登山口(08:35)〜大観峰(09:05)〜八方岳(09:20)〜無名岩(09:45)〜熊野磨崖仏分岐(09:55)〜熊野磨崖仏・胎蔵寺(10:10-10:20)〜真木大堂(11:15-11:20)〜穴井戸観音(11:40)〜朝日観音・夕日観音(11:55-12:00)〜ほたるの館(12:20-12:40)〜岩屋観音(13:20)〜奥愛宕社(13:35)〜高山寺駐車場(14:25)〜岩脇寺(15:30)〜七田観音(16:00)〜富貴寺(16:30)

鋸山に登るのは4年ぶりだが,大観峰までの登山道が大きく様変わりしたのに驚いた。岩場に出るまで続いていた植林帯が伐採され見晴らしが良くなり,これから歩く岩尾根を見上げながら上っていくこととなった。この上りルート自体も,以前より直登の部分が増えて急勾配になったような気がする。
岩場に出てからも,崩落など安全対策によりルートが変更され,大観峰の手前にあった崖っぷちの展望岩には近寄れなくなった。
晴天だが少しもやがかかり,期待していた岩尾根からの眺めはいまひとつ。由布岳・鶴見岳も,雲の上にわずかに浮かぶ山頂部しか見えなかった。
登山の後に長いウォーキングが控えているので,やや急ぎ足で岩場を回り熊野磨崖仏へ下った。
2体の磨崖仏を望む広場がロングトレイル(T-1)基点となっている。石段を下って受付で拝観料を払い,県道に出て次のポイント「真木大堂」に向かった。
T-1コースは,真木大堂の境内を通り田染(たしぶ)小崎地区へ向かうようになっている。
真木大堂に納められた仏像を見るためには拝観料が必要だが,境内を抜けるだけなら無料。本堂の先には休憩所と思しき東屋が設けられていた。
真木大堂から峠をひとつ越え,正面にそびえる岩山の石段を上り,洞窟内に祀られた「穴井戸観音」へ。照明のスイッチは参拝者が操作する。
石段を下り,別ルートで岩山を越える途中に「夕日観音」「朝日観音」がある。それぞれの名は,祀られている岩場の向きに由来すると思われる。
小崎地区に下り,あらためて岩山(間戸岩屋)を振り返ると,田園風景の中に垂直に奇岩が立ち並ぶ神々しい景観となっている。
夕日観音付近から望む小崎地区。かつての荘園「田染荘」の景観が今も残されていることが評価され,2013年に世界農業遺産に指定された。
背後にどっしりそびえる西叡山の上にある高山寺がT-1コース終点。今日はさらにT-2コース途中の富貴寺まで歩くことになっている。まだまだ先は長い。
ちょうど昼になったので,小崎の「ほたるの館」で休憩をとった。営業は2月を除く偶数月の第2日曜日のみとのことだが,トイレは常時使用できる。
田染から高山寺までは高低差約400mの上りとなるが,メインルートは概ね舗装された林道で歩きやすい。
途中「岩屋観音」「奥愛宕社」などに立ち寄りながら高度を稼ぎ,西叡山の山頂に近づくとようやく勾配の緩やかな道となる。なお,トレイルのコースには西叡山山頂は含まれていないが,高山寺の境内から登山道が延びており,山頂には展望台も設置されている。
正面に西叡山のピークが見えてくると,長かった上り坂もようやく終わりが見えてくる。林道は山頂直下を横切り,下り勾配に転じてくるとまもなくT-1終点「高山寺駐車場」に到着。さすが標高が高いだけに眺めも良い。少し休んで,駐車場から車道を下りT-2コースへ。
車道を数百m下ったところで,道路右手にトレイルコースが分岐している。標識を見逃さないよう注意。豊後高田のコース(T-*)では,黄色と緑のテープが公式カラーとなっているようで,踏み跡が一部はっきりしない西叡山の下りルートではこのテープが頼りとなる。
一見すると民家のような岩脇寺の本堂から山道に入り,多くの石仏が置かれた奥の院の前を通る。一ヶ所にまとめられているが,説明によると八十八ヶ所を表したもので,元は分散しておかれていたのかもしれない。やや高い岩場には磨崖仏も彫られていたが,草に埋もれ見つけにくくなっていた。
岩脇寺奥の院を過ぎると,しばらくは車道脇を歩くルートとなる。「広い道で迷う心配はない」からか目印もかなり適当かつ分かりにくく,ガードレールの端に小さな矢印を見つけたときは苦笑してしまった。「・・・お分かりいただけただろうか?」。
実際このあたりは別に目印を見落としてもどうにかなる道だったのだが,その先で民家の間から七田観音に上る道の分岐には何の目印もなく,少し迷ってしまった。昨年から歩きはじめたこちらもだんだん慣れて,目立たない目印も見つけられるようになってきたが,まだまだ標識類が不十分な場所は多い。
七田観音から山道を下り,川向こうに「其田の飛び石」を見送るとまもなく富貴寺。なんとか日暮れ前にゴールできた。