山名/標高 高尾(たかお)山/599m
関東山地の東縁に位置し,東京近郊の行楽地として有名な高尾山は,年間登山者数が250〜260万人といわれ,世界一登山者が多い山として知られている。全山が真言宗智山派大本山高尾山薬王院有喜寺の寺域となっている。
薬王院は,744(天平16)年に聖武天皇の勅命により東国鎮護の祈願寺として、行基菩薩により開山されたと伝えられている。その後永和年間(1375-1379年)に京都の醍醐寺から俊源大徳が入り、飯縄権現を守護神として奉ったことから、飯縄信仰の霊山であるとともに修験道の道場として繁栄した。

「十三州見晴台」の碑
開山以来,山中での殺生は厳しく戒められており,中世においても,八王子城主北条氏照により山中の竹木の伐採が禁じられた。その後江戸時代には幕府直轄領となり,その後も帝室御料林,国有林として常に保護されてきた。1967(昭和42)年,明治100年記念事業のひとつとして,高尾山及び周囲の森一帯が「明治の森高尾国定公園」に指定された。面積は770haで、最も小さな国定公園である。この区域内では植物の採取,鳥類の捕獲はもちろん,キャンプやバーベキューも禁止されている。
登山道は「高尾山自然研究路」として6つのコースが整備されており,このうち麓から山頂まで通じているのが3コース。残りは迂回路や連絡路,バリエーションルートである。また,自然研究路の他にもいくつかの登山道が開かれ,山頂から西に延びる稜線を伝い景信山,陣馬山などへ縦走もできる。
山頂は古くは「十三州見晴台」と言われ,現在でも条件が良ければ,筑波山,房総半島,江の島まで眺めることができるという。

山 行 記 録
2009.11.01 陣馬山から高尾山へ縦走。
2011.07.28 稲荷山コースから上り,琵琶滝コースを下る。