10月の3連休初日、長かった夏がやっと終わり、西の原ではススキの穂が秋の陽光をうけてきらきら輝く。 空も青く澄みわたり、すぐにでも山頂に上って展望を楽しみたい気分だが、まずは西の原から北の原へぐるり回るのが今回の計画。 |
クロカンコース(西の原の防火帯)を抜けて山に向かうと、緩い上りの先で道が二手に分かれる。 直進すると登山道で、この先さらに男三瓶への直登路と風越(男三瓶と子三瓶の鞍部)とに道が分かれる。左に続く道が今回のルート。山腹を横に伝い北の原へと向かう中国自然歩道である。 緩やかなアップダウンが連続する自然歩道は、はっきりした道で標識も立っているので迷う心配はないが、ずっと樹林帯の中を行くので展望はない。 西の原で放牧されている牛の声が森に響く。 |
森を抜け出たところは、北の原のサイクリングコース。標識に従い数百m先で次の分岐を左へ。すぐに視界が開け、水面がまぶしい姫逃池のほとりに出る。 男三瓶への登山道はこの池の背後に延びているので、池を一周して登山口から再び森の中へ。 |
少しの急登で、東屋の建つ広場に出る。周りをカラマツが囲み、紅葉の頃にまた訪れてみたい雰囲気。 広場から少し進むと、道が二手に分かれる。右手は男三瓶に直登する姫逃コース(2005.11に利用)。左手はさらに山腹を巻いて東の原へと続く中国自然歩道。今回はこの先の名号コースから上るため、また中国自然歩道に足を向けた。 ・・・が、ちょっと進むといきなり道が荒れはじめ、いやな予感。 |
姫逃コースと名号コースを結ぶ自然歩道は、かなり荒れていた。もっぱら登山道かサイクリングロードが利用され、自然歩道を歩く人はあまりいないのだろう。それでも標識はあり、草に埋もれた下にちゃんと道は残っていた。 青少年交流の家(旧・青年の家)から上ってくる登山道「名号コース」と合流してからは、整備の行き届いた広い道に戻った。標識によると、男三瓶山頂までの距離は2km。 |
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名号コースは姫逃コースと同じく、自然林の中にジグザグにつけられた登山道を上ってゆく。標高50mごとに標柱が立てられているのも同じで、やや急坂だが小気味よく高度を稼いでいける。 北の原から男三瓶を目指す登山者はほとんど姫逃コースを利用しているのか、山頂の人の多さに比べて登山道ですれ違う人数は非常に少ない。 紅葉は始まっておらず、ブナ、ナラの葉はまだ青々としていた。 |
標高1100mを過ぎると傾斜が緩やかになり、まばらになった木々の間から周囲を見渡せるようになってきた。まもなく樹林帯を抜け、ススキの穂が波打つ明るい山頂に到着。天気の良い休日で登山者が多く、中高年から小中学生まで年齢層も幅広い。360度の雄大な展望に、山頂のあちこちから歓声が上がっていた。 |
左から・・・ 山頂西側に連なる大江高山火山群。 北東、日本海に延びる島根半島。
南東に稜線を連ねる中央中国山地。 |
山頂からの眺めを楽しんだ後、女三瓶への縦走路に入る。男三瓶南面(室内池側)の崩壊が進行しているように見えたが、縦走路には特に変化はなかった。 40分足らずでアンテナが並ぶ女三瓶山頂。こちらは東の原からのロープウェイで上ってきた家族連れや観光客が多い。 |
女三瓶山頂から望む中央中国山地(右端は西中国山地か?)の稜線。大万木山の左後方に比婆山とおぼしき山影が霞む。 |
女三瓶からは大平山〜孫三瓶〜子三瓶と稜線伝いにピークを踏んで回った。 室内池周辺の樹林帯も紅葉にはほど遠く、池の水面同様濃いグリーンだった。 孫三瓶、子三瓶から男三瓶を見ると、山頂部の崩壊面が以前より広がったように感じられる。大山に似てきたようでちょっと心配。 |
(左)子三瓶山頂部も一面ススキの原で、風になびく穂が美しかった。 (右)西の原手前の森の中に寝そべる牛。おとなしく、危険は全くないが、最初はギョッとする。牛を放牧している場所にはクマも寄りつかないと聞いたことがあるが、何となく納得。 |