前日にテント泊した山中キャンプ場から舗装された林道を上ってゆくと、車道はすぐに途切れ地道となる。そのまま上ってゆくと、舗装された車道(金山脊振林道)の脇にとび出す。道路を横切り、登山道へ。 九州自然歩道として整備された登山道は歩きやすく、薄暗い森の中でもコースは明瞭だった。 |
「道明の滝」の付近で、金山と展望台の分岐標識が立っていたが、展望台への道は崩壊し通行できなかった。展望台というのは、昨年(06.10.15)アゴ坂峠の手前で金山を見渡した岩場のことだろうか。 道明の滝を過ぎてからは沢を渡り、植林帯を抜けて、アゴ坂峠と金山の間の尾根道に出た。 |
ここからは昨年と同じ稜線伝いの縦走路となる。急坂を一気に上って金山山頂に到着。昨年よりも雲が多く遠望はあまりきかなかった。 そんな中でひときわ目を引くのが、天山の大きなシルエットと、長くゆったりした稜線。それを引きつぐ彦岳の、二度と歩きたくない稜線も・・・ |
金山からは、念願だった脊振山までの稜線歩き。ブナ林は今年も紅葉には早く、緑の葉が生い茂っていた。 左手(北側)には、枝越しに博多の街が垣間見える。深山幽谷の気配を漂わせるブナ林だが、意外に都市部に近い。(右)は福岡ドームのある百道あたり。 |
昨年の折り返し点、940mピークの岩場から今年も脊振山を遠望。 お楽しみはこれからだ! 岩場から樹林帯を下ってゆく。最初は急坂だが次第に緩やかになり、花咲く日だまりの鞍部に到着する。ここが小爪峠。その先には猟師岩山がそびえ立つ。 | |
猟師岩山の山頂自体は展望に乏しいが、稜線は小刻みにアップダウンが続く岩場となっており、博多の町や脊振山が一望できる場所がいくつもある。 眺めに気を取られて足を踏み外さないように・・・縦走路の周りをスズメバチが飛び回っている。こっちにも厳重注意! |
猟師岩山の稜線は椎原峠の手前で断崖となって一気に切れ落ちている。足のすくむような絶壁の岩場は「鬼ヶ鼻岩」と呼ばれ、いちだんと迫ってきた脊振山や宝満山、三郡山などが望まれる展望地として知られている。が、ここもハチが飛び回っており長居はできなかった 縦走路はこの鬼ヶ鼻岩の手前で分岐し椎原峠へと下ってゆく。 |
福岡県側から脊振山を目指す場合、椎原(しいば)峠から縦走路に入るのが一般的だが、最寄りバス停から峠まで約5kmの道のり。樹林帯の上に先ほど下ってきた鬼ヶ鼻岩がせり出していた。 ここから再び上りに転じ、脊振山頂まで高度を上げてゆく。それほど急登はないが、登山者が多い故か登山道の真ん中が溝状に凹んでいるところがあり、はまったまま進むと抜け出るのに苦労する。 |
樹林帯を抜け見晴らしの良いササ原に出ると、「唐人舞」が近い。登山道から分岐して数十mほどの見晴らしの良い場所に巨岩が転がっており、その昔、唐人がここから故郷を偲んで舞ったと伝えられる。さすがに唐の国までは見えないが、博多の街は一望できる。脊振山もさらに近くなった。 岩の上は狭く傾斜しており、踊るどころか体の向きを変えるのがやっと。 |
唐人舞(とうにんまい/とうじんのまい)の岩上から、北〜西にかけての眺め。 |
唐人舞から少し進むとササや灌木が途切れ、花崗岩の転がる広場に出る。 ここも展望が良く、舞うにも十分な広さがあるが、特に地名はついていないようである。 すぐ近くに気象レーダーが建っている。ドームの修理中?らしく、この広場の先で合流した車道には工事関係者以外立入禁止の看板が立てられていた。 |
気象台レーダー前から脊振山頂直前までは車道歩きとなる。 (左)気象台レーダーから下った車道の鞍部が矢筈峠。椎原に通じる登山道が車道のすぐ脇から下っていた。 (右)車道脇に建つ展望台。 |
気象レーダー道路から県道305号線に出て、福岡・佐賀県境をまたぎ樹林帯に入ると、地道の登山道(一部木道)が復活する。 しかしこの道は長くは続かず、駐車場下の野営場までで終り。あとは例によってコンクリートの階段を上ることに。 山頂は駐車場から歩いてきただけの人が多く、登山者は肩身が狭かった。 |
がっかりな山頂から、北(福岡市街地)の眺め。 |