山名/標高

求菩提山(右手前)と犬ヶ岳
犬(いぬ)ヶ岳/1131m
犬ヶ岳は、西の岳滅鬼(がくめき)山、英彦山から東の雁股(かりまた)山、大平山まで、福岡県と大分県の境界に沿って連なる稜線の中間あたりに位置する山群の総称。英彦山と同じメサビュート(テーブル状の高地)の山頂部には、一ノ岳、二ノ岳、大日岳、笈吊(おいづる)岩などのピークが寄り集まっている。このうち最高地点のある甕ノ尾(かめのお)を山頂としているが、甕ノ尾だけを指して「犬ヶ岳」と呼ぶ場合もある。山名の「犬」は、山頂に鬼神の霊を祀っていたことから「威奴」または「異奴」と表記していたのが「狗」〜「犬」に変化してきたもの。
この山域は英彦山、求菩提(くぼて)山などとともに修験道の行場として開かれた場所で、「大日岳」「鈴の中尾」などの地名や笈吊岩の鎖場などにかつての行者道の面影が残る。当時「神に捧げる花」として珍重されたツクシシャクナゲ群落は、現在では国指定の天然記念物。開花期の5月中旬には多くの登山者が訪れる。
登山道は、豊前市の鳥井畑地区(左右2ルート)または福岡(犀川町)大分(山国町)県境の野峠を起点とするコースがよく利用される。鳥井畑からのコースは左右2ルートを使い分けて周回することもでき面白いが、標高差が大きく鎖場や徒渉の危険箇所もいくつかあるので、初心者の単独行は避けた方が無難。また、一ノ岳から求菩提山にかけて縦走路が開かれている。距離は長くなるが良く整備され、危険箇所は少ない。
稜線上はシャクナゲのほか、ブナ、ミズナラなどに覆われ見晴らしは良くないが、一ノ岳(1124m)をはじめ所々で南側の視界が開け、由布岳、鶴見岳、九重連山、阿蘇山などが遠望できる。山頂にはコンクリート造りの小さな避難小屋があり、屋根の上が展望台となっているが、周囲の木々の丈が伸びており、眺望は期待できない。

山 行 記 録
2004.05.06 シャクナゲの花を求めて、経読岳〜犬ヶ岳縦走。
2006.07.13 犬ヶ岳〜求菩提山縦走。暑かった!
2009.04.29 新緑の求菩提山から犬ヶ岳へ縦走。シャクナゲの花は・・・
2011.05.09 シャクナゲの花は近年最大の不作?


東の経読(きょうよみ)岳手前鞍部から山頂部を遠望。(2004.05)