山名/標高 九重(くじゅう)山
 黒(くろ)岳
   前(まえ)岳/1334m
   高塚(たかつか)山/1587m
 大船(たいせん)山/1786m
 北大船(きたたいせん)山/1706m

男池駐車場から望む黒岳(左〜中央)。右は平治岳。
登山日・天候 2005年10月10日(月)・晴のち曇
行程 男池駐車場(06:45)〜白水鉱泉(07:15)〜白水分れ(07:45)〜前岳(08:45-08:50)〜高塚山(10:35-11:00)〜風穴(11:35)〜岳麓寺分岐(11:50)〜段原(13:10)〜大船山(13:25-13:40)〜段原〜北大船山(14:00)〜大戸越(14:40)〜ソババッケ(15:25)〜男池駐車場(16:00)

高塚山(左)と天狗岩(右)。(2004.06)
九重連山の西端にあり、くじゅうの中で最も古い火山といわれている黒岳は、最高峰の高塚山や天狗岩(1550m)、前岳(1334m)などのピークを擁する山群の総称。
草や低木の生い茂るイメージが強いくじゅうの中にあっては異色な、ブナ、カエデなどの自然林に覆われた山容が「黒々として見える」ことからこの名がついたという。この原生林は「日本の自然百選」に選ばれ、原生林で育まれた男池の湧水は「日本の名水百選」に選ばれている。
新緑・紅葉のほかシャクナゲ群落やオオヤマレンゲの自生地もある黒岳は、飯田高原から見る九重の山々とは全く趣が異なり、また登山道も三俣山や久住山と比べ悪路・急坂が多い。
高塚山と前岳の両ピークを踏む縦走路は上り・下りとも非常に歩きにくく、実際の距離以上に時間を取られる難コース。一般的には男池からソババッケ、風穴を経て高塚山山頂へ至る往復ルートがよく利用されるがこちらも決して楽ではなく、滑りやすい道で落石(自分が石を落とすことも)の危険も高い。上り・下りとも慎重に。

URC山岳耐久 2日目「くじゅうグリーンアドベンチャー鉄人コース」
まだ空が暗く、星のきれいな5時に起床し、朝食後6時30分に駐車場を出発。
緩やかな下りの道を数kmで白水鉱泉駐車場に到着。「天然サイダー」の鉱泉を一口飲んでから、前岳登山道へ。
森の中につけられた登山道は、最初は緩やかだが進むにつれて傾斜を強め、道も次第に悪くなってくる。九重連山の中では手頃に感じられた1334mの標高からは思いもよらない急登の連続に、息も切れ切れ。
最後は岩をよじ登り、やっと前岳山頂に到着。展望は全くないが、縦走路を少し進むと視界が開け、これから向かう高塚山が眼前に。
しかし、山の間には大きなアップダウンと深い樹林が・・・。

目指す高塚山は、一番左奥のピーク・・・遠い。
縦走路上は岩がゴロゴロした場所が大半で、まともに歩ける地面が少ない。そのうえ急なアップダウンが続き、足の疲れと痛み(特に足裏)がひどい。途中、高塚山までの残り距離がおよそ100mおきに表示されていたが、この1区間が異様に長く感じられた。
少し期待していた紅葉にはまだ早く、周囲の木々の葉はほとんどが青々としていた。今年はいつもより秋の訪れが遅いのでは。
前岳から1時間45分でようやく黒岳最高峰・高塚山に到着。
眼前には大船山(左)、隣の天狗岩(右)などが立ちはだかるが、ガスが出てきて遠望はきかなくなった。
少し休んで風穴への下りにかかる。
今回、天狗岩は時間(と足と気力)の都合上パスした。
昨年6月の平治・大船登山の際に時間の都合で断念した高塚山への登山道、あのときパスしたのは正解だった。こちらも前岳と同様のすごい急坂だが、ガレ場となっており非常に滑りやすい。上りの登山者が多いので、石を落とさないよう気を遣わなければならない。
それでもさすがに垂直降下の下山路は早く、40分ほどで風穴に到着した。
続いて本日最大の難所(と計画時には思っていた)、大船山への一気直登にかかる。
昨年の下りでずいぶん難儀した記憶のある直登路だが、いざ取りついてみると急坂には違いないが意外に登りやすい。息を荒げながらぐんぐん高度を稼ぎ、30分ほどでほとんど上りきってしまった。ここまでに限って言えば、この道は大船登山上りルートいちばんのおすすめである。すれ違う人も意外に多い。
しかし、この後のヤブ(=ミヤマキリシマ)漕ぎには閉口した。狭い道の両脇から小枝が迫り、腕や顔をひっかいたり、服やリュックを引っ張ったりと狼藉の限りをつくす。
よく考えてみたら、昨年難儀したのも実は急坂よりこちらの「小枝攻撃」だったかもしれない。この緑の鉄条網を抜け出すとすぐに段原。
段原から一気に、本日の最高地点・大船山山頂へ。周囲はガスで展望はなく、御池の紅葉も少し色づき始めたくらい。
段原まで戻り、北大船山から大戸越〜ソババッケ経由で下山。
昨年の台風と今年の大雨のせいか登山道が大荒れで非常に歩きにくい。北大船山から大戸越までは道が大きくえぐれ滑りやすくなり(ここは以前からそうだが下りでは特に危険に感じる)、大戸越からソババッケまでの下りはもともと岩だらけで歩きにくかった道がますますルート不明瞭となった。
安全と植生保護のためにも、木道の設置を検討すべきかもしれない。

下山後は九重町の「見晴らしの湯」に入浴、10号線経由で山口に帰った。

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